両親媒性物質と種々薬物間に生成する結晶性分子複合体の構造解明とその薬剤学的応用についての研究

洗浄、分散、乳化、可溶化等多様な作用を持つ両親媒性物質(界面活性剤)は 臨界ミセル濃度と呼ばれる濃度点を境に分子会合体(ミセル)を作り、その溶液の性質を大きく変化させます。 ミセル形成は、可溶化を扱う上で大変重要です。

我々の研究室では、このような可溶化均一溶液から両親媒性物質と種々薬物間に生成する分子複合体を取り出すことに成功しました(図1)。 その分子配列をX線構造解析(図2)を用いて決定したことにより分子複合体形成メカニズムを明らかにし、 さらにこれら複合体とミセル構造との密接な関係についても説明してきました。 得られた複合体の物性について検討してみると、分子複合体形成された様々な薬物は、 安定性が高まること、溶解性が良くなること、徐放効果等新しい機能を備えていることが分かりました(特許1)。 本技術を薬物安定性、溶解・吸収性改善の手法として 製剤学、香粧品領域へ応用、利用させる研究を進めています。

(*可溶化とは難水溶性物質がミセルの内部に取り込まれ水への溶解度が高まる事をいう。)